どんな企業でも共通して「商品やサービスをお客様に提供し売り上げにすること」を目的としています。
企業である以上、販売業務は切っても切れない関係ではないでしょうか。
販売業務において、ボトルネックになりやすい作業が「販売管理」です。
販売管理を従業員が個別で行っていては、ミスを招き、失注につながるケースもあります。販売管理は一元化することで、ミスを防ぎ、管理工数を大幅に削減できます。
本記事では、販売管理業務の課題、販売管理システムを導入することのメリット、比較検討のための5つのソフトウェアをご紹介します。
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販売管理業務での課題
販売管理を一元化していないと、どのような課題が発生するのでしょうか。
ここでは、販売管理業務で発生しやすい課題をみていきます。
エクセルや書類での管理が大変
販売管理をエクセルで行っている企業は多く、取引や工程毎に異なる方法で管理されるている場合はとても管理しにくくなっているでしょう。
その場合、同じ情報を複数入力する必要があり、記載漏れや入力ミスが多発することになる可能性は高いといえます。
また、エクセルで帳票をマクロなどのプログラムや関数で自動化している場合はメンテナンスする工数も発生します。
取引全体の状況が把握しづらく、管理工数が膨大にかかってしまいます。
欠品や余剰が出てしまう
製造業など商品が存在する企業は、正確に利益を担保するために在庫管理をしなければなりません。
この在庫管理を正確に行っていないと、実際ある在庫数と帳票に差異があることになり、欠品や余剰が出てきてしまいます。
欠品しているのに受注してしまうと、お客様を待たせることになり、大きな失注に繋がる原因になります。
逆に余剰の場合、商品の価値を下げて販売する可能性や、廃棄することもあり、その分は当初見込んだ売り上げより低くなるか、または全く無くなることになってしまいます。
さらに、投入した資金の元本も回収できず、損失が発生し利益の悪化を招いてしまいます。
社員同士のコミュニケーションが上手くいかない
社員ごとに独自に販売管理していては、取引全体の把握が難しく、また情報をリアルタイムで見ることができないので、分析や対策を講じることは困難なことだといえます。
受注した商品やサービスを確実に納品し、売り上げに計上するためには、各工程を担当している人同士がコミュニケーションを密に取る必要があります。
一元化されていない管理方法をしていては担当している業務だけ知識や情報があり、他のところは把握できない恐れもありますので、コミュニケーションを上手くとることは難しいでしょう。
販売管理システムを使う
ここまで様々な課題を見ていただきました。
前述した課題で苦労されている企業も多いのではないでしょうか。
しかし、それらの課題を販売管理システムであれば簡単に解決することができます。
では一体、販売管理システムでどんなことができるのでしょうか。
◎販売管理機能
■受注管理
受注が決まったら、商品やサービスの受注情報を入力、登録する機能です。
販売管理システムによっては、見積データから引用して、自動作成できるものもあります。また、登録された受注情報は、「受注番号」や「取引先」、「サービス名」など様々な検索キーから検索、表示することができます。
自社で在庫を持たず、仕入れ先から直接取引する場合は、受発注同時に処理できる機能も搭載されており、入力作業を軽減させることができます。
■請求・回収管理
売上データに基づいて請求書を発行できます。
複数回の締め処理などに対応している販売 管理システムもあり、取引先に応じて臨機応変に請求業務が行えるものもあります。
また、未回収の債権を検索、一覧表示できる機能もあります。取引先や機関など様々なキーで検索できます。
これにより、債権の不良化リスクを軽減することができます。
◎在庫管理機能
■出荷管理
出荷指示書が作成できる機能です。確定されると、倉庫へ出荷指示が送られ商品が発送さ れます。
また、商品を出荷するためには、在庫状況の確認や調整が重要です。
それをサポートするための機能として、検索機能があります。現在の在庫や受払い情報の履歴を検索し、表示する機能です。
これにより、何がどれくらい残っているのか、また在庫の移動などを可視化できます。
■棚卸(在庫の調整)
棚卸の管理や登録をする機能です。
エクセルにデータを入力しシステムに取り込むと、棚卸状況を反映し、管理することができます。
これにより、業務効率化が期待できます。
◎仕入管理機能
■仕入管理
見積や購買内容を確認して、契約書を交わした後に仕入れを確定して、在庫を計上する機 能や、「何を、いつ仕入れるのか」、仕入れの予定を入力する機能もあります。
販売管理 システムによっては、受注情報から自動で作成されるものもあります。
■支払管理
どの取引でいくら支払ったかを確認するために、支払い、買掛データをもとに消込作業を おこなう機能が搭載されています。
また、支払予定の金額や支払先などを集計し、予定表を作成する機能もあります。
作成した予定表は期間や支払区分ごとに表示することができます。
販売管理システムであらゆる課題を解決!
様々な課題を解決できる販売管理システムですが、実際に導入した場合にはどの様なメリットがあるのでしょうか。
◎最低限のデータ入力で入力ミスを防ぐことができる
販売管理はデータ入力が多い業務です。
一元化していない環境で業務を行うと、同じ情報を別々の書類に入力することになります。この時、入力ミスをしてしまうことは防ぎきれません。
販売管理システムを導入することで、販売にかかわる全てのデータが連携されている為、一度データを入力すれば同じ項目は自動的に入力されます。
◎異なる販売チャネルでも販売管理を一元化できる
販売チャネルが多様化している企業の販売管理は、一括管理できないという課題が発生しやすくなっています。
リリースされている販売管理システムの多くは、オンラインショップやSNSなど多様な販売チャネル、Webサービスに対応しています。
異なる販売チャネルでも一元化ができるため、管理業務の効率化に貢献できます。
◎見積書のフォーマットが統一化される
定まったフォーマットがないと、各従業員が独自のフォーマットを作成することになるので、属人化して販売管理が難しくなってしまいます。
販売管理システムを導入することで、見積書などのフォーマットが固定し、正確な管理ができるようになります。
◎リアルタイムな分析ができる
販売管理から生み出される情報は、分析することで販売や在庫管理など経営に活かすことができます。
しかし、販売管理が一元化されていない環境では販売情報を分析することが難しく、データを活かしきれません。
販売管理システムを導入して情報が統合されることで、リアルタイムな分析ができるようになります。
◎在庫管理システムとの連携で余剰・欠品を防ぐ
販売管理システムと連携が取れていない在庫管理システムでは在庫の適正化が難しくなります。
販売管理システムの多くは在庫管理機能が搭載されているため、データの連携で在庫の適正化を強力にサポートします。
◎請求漏れが防止できる
無形商品を提供している企業で難しいのは、顧客ごとに違う契約期間や請求日を管理することだといえます。
この業務をエクセルなど一元化されていない環境で行うのは困難です。
販売管理システムでは契約期限や請求日が近づくとアラートする機能も搭載されているので、請求漏れも発生しません。
◎同じような取引は前回受注を参考に簡略化できる
継続的な取引がある場合、前回の取引情報を参考にすることが効率化のポイントといえます。
エクセルなどで管理している環境では、前回情報をそのまま今回の取引に使うことができず、取引が発生する度に入力業務など発生し、工数が増えてしまっていました。
販売管理システムを導入することで、同じような取引で作った情報があれば、作成作業を簡略化することができます。
5つのおすすめ販売管理システム
では、どの様な販売管理システムを選ぶのがいいでしょうか。
販売管理システムは値段も機能も各社によって異なります。現在では多くの販売管理システムが登場しており、会社の状況にあった販売管理システムを選ぶのも一苦労です。おすすめの販売管理システムとその特徴をご紹介します。
NetSuite(ネットスイート)
世界中で3万を超える企業や組織で利用されている世界最大級の販売管理を含むクラウド型のERPシステムです。NetSuiteの特徴は、19言語、190種類以上の通貨に対応している為、海外展開に柔軟に対応できる点と、データベースを共有しているので一元的な管理や運用を可能としている点です。
通常の業務は、NetSuiteが標準装備している機能をそのまま利用するだけで、完了しますが、カスタマイズも可能です。
カスタマイズは、テンプレートをもとに簡単な設定作業で行えるため、開発コストが抑えられ、低コストでのカスタマイズを実現できます。
Aladdin Office(アラジンオフィス)
導入実績が5000社のAladdin Officeは中堅・中小企業向けの業務管理ソフトウェアです。Aladdin Officeの特徴は、ファッション業界や食品業界など様々な業種ごとのニーズに合わせたソフトウェアが用意されている点と、売り上げや仕入れ、入金などのデータを勘定奉行などの会計ソフトの仕訳データとして出力できる「自動仕分け処理機能」がオプションとして搭載可能である点です。
また、カスタマイズもイージーオーダーで機能を追加することができます。
低コストというパッケージながら、柔軟性も兼ね揃えたものであることが強みといえるでしょう。
iDempiere(アイデンピエレ)
iDempiereはソースコードが公開されているために、誰でも自由に開発することが可能なオープンソースのERPシステムです。
商用のパッケージを購入する場合と異なり、導入コストを抑えられる点が特徴です。
ERP導入に消極的になりがちな中小企業にとっては特に有益な特徴です。
オープンソースを利用するのでライセンス費用が不要なのもうれしい点です。
iDempiereを使って、自分で機能を実装することも可能ですが、技術者がいない場合は、iDempiereでのソフトウェア開発を専門に行っている企業に委託することもできます。
その場合も、オープンソースを使った開発なので、低コストで導入が実現できるでしょう。
flam(フラム)
従来のシステムは、導入時にソフトウェアやハードウェアの整備に必要なコストや、導入後もメンテナンスやアップデートに必要なコストがかかってしまいます。
flamの特徴は、何といっても導入コストが一日300円と低いことがあげられます。
このコストで、ウィルス対策や万一機器が故障してしまった場合の対応にかかる時間と手間から解放されて、本来の業務に集中できるようになります。
また、flamではバックアップ体制も万全です。
深夜に自動的にデータをflamが稼働しているサーバーとは別の安全なサーバーにバックアップしてくれるので、万が一の災害時でも安心です。
バックアップシステムを利用するにあたって特別な費用も掛かりません。
FunBiz(ファンビズ)
「FunBiz(ファンビズ)」は、小売業や卸売業向けのクラウド型の販売管理システムです。
受注登録や仕入、出荷指示、売り上げ管理などの販売管理にかかわる業務を一元化管理することができます。
FunBiz(ファンビズ)の特徴は、シンプルな画面設計で、機械操作が苦手な方でも誰でも簡単に操作できて、導入後浸透しやすい点です。
これにより、「導入したが使われない」または、「慣れる時間が必要」などの問題が発生することを防げます。
また、シンプルな画面は、操作ミスも防げるので、管理工数削減にも貢献できます。
クラウド型のパッケージなので、インターネットが繋がる環境ならば、リアルタイムに状況を把握することができる点が特徴です。
まとめ
「販売管理で起こりがちな課題」、「課題を解決するため販売管理システムの概要」、「具体的なシステム」をみてきましたが、いかがでしたでしょうか。
企業を運営するにあたって、コスト低減はどの企業でも共通な課題といえます。
一元化をしないと、どうしても入力ミスや作業が属人化してしまい、管理工数を抑えることは難しいことでしょう。
販売管理システムは、商品によって特徴が様々あるので、「自分が抱えている課題を解決できるか」という点を頭に置いて選ぶことが導入のポイントといえます。
また、中でも「FunBiz(ファンビズ)」は、簡単操作で幅広い業務を効率化することができます。
この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか。