小売業や卸売業では、在庫管理業務に悩む企業は少なくありません。
在庫管理業務を人の手やエクセルなどの汎用の表計算ソフトで処理しているとすぐに限界がきてしまうでしょう。
そのため、在庫管理システムを導入することによって、作業の効率化を図る企業も少なくはないでしょう。
しかし、在庫管理システムにも良し悪しがあり、利用価格が安いものの、機能が物足りなければ意味がありません。
今回は、在庫管理システムの導入で損しないためにも、導入前に知っておくべきことをご紹介いたします。
在庫管理システムとは
はじめに在庫管理の必要性とそれをシステム化するべき理由について考えてみます。
在庫管理とは
仕入れた後、売れるまでの商品を在庫と呼びます。
在庫切れを起こすと顧客の信用を失い、顧客自体を失うことにもつながりかねません。
在庫が過剰にあれば、倉庫の賃料が無駄になったり、他の商品を置けなかったりすることから機会損失につながります。
欠品をおこさない範囲で商品の在庫を適正に保つことが在庫管理の目的といえます。
在庫管理の方法
在庫管理の目的を達成するためにはどのようなことに意識する必要があるのでしょうか。
商品の在庫は店舗や倉庫にあることでしょう。
店舗や倉庫のなかで商品が雑然と置かれていれば、顧客や店員、また倉庫の出荷担当者は、商品を見つけられずに困ってしまいます。
在庫管理するためには、店舗や倉庫を小さな区画に分割して、それぞれの区画ごとに、特定の商品を集める必要があります。
また、企業として在庫を管理するためには、複数ある店舗や倉庫も考慮に入れる必要があります。
仕入や売上、その他の理由で変動する在庫数を各保管場所に管理できれば、在庫管理の目的を達成することができます。
各場所に、入庫管理、出庫管理、返品管理、棚卸を適切に記録・共有することが必要になります。
在庫管理の難しさ
一見それほど難しくないように思える在庫管理ですが、現実にはうまくできていない企業・店舗が少なくありません。
記録された在庫数と実際の在庫数が違うことが度々あるために、結局いつも倉庫に出向いて在庫を確認するような状況もあります。
在庫を適切に管理するためには、組織内で共通化されたルールに従って、一つ一つの在庫変動をその都度共有されたエクセルファイルなどに登録する必要がありますが、思うように管理できないこともあります。
忙しいときに記録しないでそのまま忘れたり、入力をミスしたりといったことで誤った在庫記録が蓄積し、誰も正しいデータを把握することができなくなってしまいます。
在庫管理をシステム化しよう
在庫を適切に管理するためには共通のルールを設定して全員がそれを守る必要があります。在庫管理システムを導入は、組織内のルール化とルール順守にとても有効です。
在庫システムを導入することで、基本的にシステムが複雑な作業を自動化することができるため、在庫管理業務を効率化することができます。
システム化すれば転記そのものがなくなりますし、クラウド化されたシステムにだれもが直接入力できる利点もあります。
バーコード、QRコード、商品写真を使って登録できれば作業を軽減する機能を持ち合わせたシステムもあります。
在庫管理システムを導入し、棚卸をより頻繁に行うことで、登録された在庫と実際の在庫が一致するようになり、在庫管理のメリットを享受できるようになります。
在庫管理システムが提供する機能
在庫管理システムが提供する機能には、主に2種類あります。
販売システムなど、より大きなシステムの一部として在庫管理機能が提供される場合、提供される機能は売上、仕入、返品などに連動して変動する在庫数をその都度記録する機能です。
専門的な在庫管理システムは、これに加えて入出庫作業などの倉庫管理機能もカバーします。
在庫管理システム導入前に知っておくべきこと
現在さまざまな在庫管理システムが提供されています。
在庫管理機能が単体で提供される場合だけではなく、販売管理システムの一部として、あるいはより総合的な、総務、会計、人事、生産、販売など、企業のオペレーションすべてを統合するERP(Enterprise Resource Planning)の一部として提供される場合があります。
在庫管理システムは安さも重要
多くの場合、在庫管理システムを単体で導入するのではなく、販売管理システムの一部や、ERPの一部として導入することになります。
より大きなシステムの一部として在庫管理機能が提供されれば、在庫以外のシステムと連携させる作業は不要となり、転記作業もなくなります。
理論上は、システムが大きくなればなるほど会社のオペレーションを効率化することができます。
このように考えると、より大きなシステムを選択すればよいように思いますが、この考え方には注意が必要です。
大きなシステムを使いこなすためには、会社全体のオペレーションを全面的に再構築する必要があり、オペレーションの再構築にともない担当社員のみならず全社員に作業フローをインストールする必要になることでしょう。
担当社員がシステム全体を熟知し、全社員が自分の業務に関連したシステムの使い方をマスターできなければ、システムの導入に失敗することになります。
当然のことながら、大きなシステムは費用も大きくなるので、多額の費用をかけた後にシステムの導入に失敗する可能性が高まります。
その意味で、最初は安くて簡単なシステムを導入して成果を見るほうが、より安全にシステム化することができます。
自社の課題を把握しておく
在庫管理を適切に行うために在庫管理システムを導入するため、システムを導入する前に、自社の在庫管理の課題を把握しておく必要があります。
例えば、
現状の仕組みでは、多くの従業員が在庫確認を行わないのであれば、クラウドの在庫管理システムを導入して、どこからでもシステムにアクセスできるようにすることが、課題の解決につながるかもしれません。
多くの従業員に使いこなしてもらうためには、使いやすさを実現するために簡単で分かりやすいインターフェイスが望まれます。
入出庫業務をシステム化したいのであれば、バーコードやQRコードへの対応や、送付状印刷への連携も必要となります。
自社の業務の実態を把握し課題を明確化したうえで、課題を解決するための機能を装備した在庫管理システムを選択しましょう。
販売管理やERPの一部として在庫管理機能が提供される場合も同様です。
その場合は、販売業務や自社のオペレーション全体の現状を把握したうえで、課題を明確化し、課題を解決できるシステムを導入することになります。
システムが提供する機能が広がれば広がるほど、事前準備の作業も大きくなります、
在庫管理システムの種類(クラウド型、オンプレミス型)
具体的な在庫管理システムを導入するときには、そのシステムがクラウド型なのか、オンプレミス型なのかを知っておく必要があります。
クラウド型のシステムは、WEBブラウザを通じてクラウド上に格納されたデータベースやアプリケーションを利用する形態です、オンプレミス型のシステムは、社内サーバーや社内の特定のパソコンに格納されたデータベースやアプリケーションを利用する形態です。
クラウド型の場合、どこからでもシステムにアクセスしやすいという利点があります。
“安い”在庫管理システム6つ
比較的廉価な在庫管理システムを6つ紹介します。
クラウド在庫管理ソフトZAICO
ZAICOは在庫管理に特化したクラウド型のシステムです。
無料または月額980円と低コストで利用可能です。スマートフォン、バーコード、QRコード、スマートフォンカメラの画像を使って在庫を管理することができます。
また会計システムfreeeに仕入れと納品を連携することができます。
ロジクラ
ロジクラもまた、無料で使うことも可能な在庫管理システムです。
iPhoneからバーコードやQRコードを読み取って在庫を管理することができます。
複数拠点を管理することができ、また1つのアカウントに複数のユーザーを登録することもできます。
棚卸業務のためには有料版が必要です。
iDempiere(アイデンピエレ)
iDempiereは無料で使うことができる、オープンソースのERPです。
iDempiereは長い歴史を持ち、国際的な賞を多数受賞しています。
iDempiereの在庫管理機能を使うと、棚卸、在庫評価、在庫移動、在庫補充、社内消費分の処理、セット商品の作成、在庫管理に関係した会計処理を行うことができます。
アラジンオフィス
アラジンオフィスは中小企業向けの販売管理と在庫管理のためのパッケージソフトです。
各業界特有の商習慣に対応しており、顧客の都合に合わせたカスタマイズやECその他のシステムとの連携機能も備えています。
Odoo
Odooは世界的に使われている廉価なERPです。
機能ごとに購入することができるため、コストの削減につながります。
複数倉庫、ロット管理、複数の引き当て方針など、かなりきめ細かい在庫管理機能を提供しています。
CAM MACS
CAM MACSはクラウド型のERP、つまりWEBブラウザで利用できる基幹システムです。
30日間の無料体験で、実際に使ってみてから契約することができます。初期費用6万円、月額利用料6万円で、5つのアカウントでEC、店舗、卸、財務会計のすべての機能を使うことができます。
安くて多機能な在庫管理システム「FunBiz」
さまざまなな在庫管理システムが提供されている中でも、多機能かつ低価格で導入することができる在庫管理システム「FunBiz」をご紹介します。
FunBizは、「今までにないシンプルな販売管理システム」をコンセプトに設計された、とにかく使いやすいを追求した在庫管理システムです。
では、FunBizの主な特徴・機能をみてみましょう。
「FunBiz」のインターフェイス
FunBizが提供するダッシュボードを使って、すべての情報を一度に確認することができます。
ダッシュボードには常に最新の情報が反映されます。
また、「TODOリスト」やアラート機能により、受注漏れや発注漏れを防ぐことができます。
使いやすさを念頭に置いて開発したため、各作業画面はとてもシンプルです。
FunBizはクラウド型のシステムです。
このため、外出先であっても、インターネットが使える限り、いつでもどこからでも使うことができます。
画面はレスポンシブに設計されているため、取引先での商談中にスマートフォンから在庫を確認することもできます。
これが電話で担当者に確認するとなると時間が無駄になりますし、担当者がいなければ受注が流れてしまうかもしれません。
「FunBiz」の在庫管理機能
FunBizには標準的な在庫機能がすべて備わっています。
在庫一覧と同様に全商品を対象とした棚卸が簡単にできます。
商品登録後、初期在庫が登録され、その後は棚卸による増減や出荷や仕入れによる増減がありますが、そのような増減の履歴がすべて記録されます。
記録に基づいて在庫の滞留や紛失を見つけることができます。
また、商品ごとに発注点を設定することができ、在庫数が発注点を下回るとダッシュボードにアラートが表示されます。
「FunBiz」のその他の機能
総合的な販売管理システムとして、FunBizは販売に関わる基礎的な機能をすべて提供します。
販売管理機能として、見積管理、見積ステータス管理、見積複製、受注管理、売金管理などがあります。
仕入管理として発注と仕入の連携、台帳管理として、顧客台帳や商品台帳、分析機能として、売上、仕入、在庫変動のグラフ化機能があります。
TODOリスト機能を使えば、各段階での作業漏れを防ぐことができます。
「FunBiz」のサポート体制
FunBizは使いやすいシステムですが、それでも使い方がわからないことがあるかもしれません。
そんなときは遠慮なく電話やメールでサポートに問い合わせることができ、追加料金等はかかりません。
また、FunBizの導入時には無料導入サポートを受けることができるため、社員向けの使い方レクチャーなども、サポートとは別に行っています。
「FunBiz」の利用料金
WEBサイトによると、FunBizの利用料金は、1ユーザーあたり月額9,800円です。
導入時にはこれに初期費用が追加されます。
しかし、いきなり利用開始するにも、使いこなせるかどうかなどの不安もあるでしょう。
そこで、導入を検討している場合には、はじめから初期費用と月額料金を支払う必要はありません。
2週間の無料トライアル期間のあとに、導入レクチャー・導入準備を経て利用開始となります。
「FunBiz」をお勧めします
FunBizは多くの中小企業に、初めて使う販売・在庫管理システムとしておすすめできるシステムです。
システムを使わずに販売や在庫を管理しようとした結果、エクセルでの管理が混乱し、情報を十分に共有できないためにミスが頻発し、在庫がいつまでも余っていたり、欠品が絶えなかったりしていませんか。
受発注の処理に何人も関わることになり、時間と人件費が無駄になっていませんか。
FunBizの導入により、まったく同じデータを誰もが共有・確認し、情報の転記も不要となるので、このような問題をすべて解決することができます。
まとめ
エクセルや手作業などの手動で行っていた在庫管理をシステム化することで、在庫管理の悩みをほとんど解決することができます。
また、シンプルで使いやすい在庫管理システム「FunBiz」を導入することで、だれでも簡単に使いこなすことができます。
無料体験を利用することで、導入後のギャップを極力避けることができます。
是非、導入を検討してみてはいかがでしょうか。