有形商品を取り扱っている会社であれば、例え中小規模の会社でも在庫管理は必須です。在庫数は日々変動していきます。
その管理を徹底して行わないと、大きな損失を生んでしまうことでしょう。余剰な在庫を抱えることは企業の資金繰りを圧迫しますし、在庫の欠品は機械損失に繋がります。結局、在庫管理の目的は適正な在庫量を保つことです。この作業を手動で管理しているようでは、適正を保つことは困難です。
適正在庫を保つための解決策として在庫管理システムの導入が挙げられます。本稿では在庫管理の効率化を検討している中小企業の方々に向けて、おすすめの在庫管理システムをご紹介します。
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在庫管理が必要な主な業種
固体液体など形状を問わず、「有形商品」を扱う企業は「在庫」を持っていることでしょう。そして、在庫管理の方法は業界ごとに異なるものの、顧客のニーズに応える商品を納品するために不可欠です。
また、過剰な在庫は資金繰りを圧迫し、手元に稼働できる現金・資金がなければ倒産するリスクが高まります。
適切な在庫管理を行うことで利益獲得と売上向上、顧客の信頼につなげることができます。在庫管理を行う前に、業界ごとの在庫を把握しましょう。
流通卸業
■流通卸業の在庫■
流通卸業は、販売するための商品を「メーカー=製造業」から仕入れて、「店舗=小売業」に納品します。流通卸業の在庫は「商品」という完成品です。
■流通卸業の在庫管理■
流通業はメーカーと消費者をつなぐ役割を担い、小売業と流通卸業とで構成されます。その中で、流通卸業は物流機能も兼ねており、商品の配送・保管を行います。
なお、近年は消費者ニーズの多様化に伴い、品揃えの種類を増やす店舗が増えています。このため、一品種あたりの在庫数が少なることから、流通卸業には多頻度小口納品が求められているのです。
一般的に小売業や流通卸業では、POS(Point Of Sale)システムを用いています。「販売時点情報管理」と呼ばれるもので、商品にバーコードを通したタイミングで在庫の計算が行われます。「定量発注点方式」を用いているので、在庫が無くなると自動で発注データを作ることができるのです。
製造業
■製造業の在庫■
製造業は、部品や原材料を仕入れて製品をつくります。製造業で在庫管理するべき対象は、生産形態と工程ごとに異なります。
①素材の仕入:
部品や原材料を仕入れます。組立・加工製造では「部品」、プロセス製造では「原材料」を在庫として保管します。まず、「部品」はネジのように完成しているものを仕入れて保管する在庫です。そして、「原材料」はそのままでは使用できないため、調合や加工などのプロセスを経て保管する在庫です。例えば樹脂材の場合、プレス機にかけ成型することで部品になります。
②加工と組み立て:
部品、原材料を使用して加工したり、組み立てたりします。ここでは、「部品」や「原材料」の他、生産途中の未完成品を言う「半製品」の在庫が発生します。
③半製品の加工・組み立て:
ここでは「半製品」の在庫ができます。半製品は「仕掛り在庫」と呼ぶことがあります。そのままの状態では販売できないものなので、仕入れた原材料を加工した部品のほとんどが「仕掛り在庫」となります。
④製品が完成:
在庫は「完成品」です。
⑤顧客への納品待ち:
倉庫に保管され出荷を待つ状態です。ここでも在庫は「完成品」です。
⑥顧客への販売
■製造業の在庫管理■
製造業では、MRP(Material Requirement Planning)システムを用いています。「資材所要量計画」と呼ばれるもので、部品表と基準生産計画に基づき発注する資材量や資材納入・出庫を管理します。これには「定期発注点方式」を採り入れています。
過去のデータから適正な在庫数量を明確化し、市場や顧客ニーズに応え得る範囲で在庫を確保します。過不足を把握したうえで在庫を持たずに欠品することを回避します。
印刷業
■印刷業の在庫■
印刷業の在庫は、「資材在庫」と「製品在庫」に分かれます。この内、資材は「用紙」を指し、自社調達の用紙と受注取引先から預かる用紙、それぞれの把握が必要です。
■印刷業の在庫管理■
印刷業の在庫管理は、仕事を受注する営業、資材を発注する購買、生産の各部門と密接に関わります。営業が受注した仕事を迅速に生産部門へ依頼する、購買は効率的な生産計画と印刷見込みを早めに把握する、生産は適切な原材料の選定と所要量計算を行う、というように、一連の流れの中で資材と製品が移動します。
入出庫情報、在庫情報は、資材在庫・製品在庫ともに管理しましょう。また、倉庫別・ロケーション別の保管管理が重要です。
建設業
■建築業の在庫■
建築業では、製造業のそれと同じく「仕掛品」も在庫とします。つまり「仕掛けている現場の経費」です。
■建築業の在庫管理■
建築業で管理する在庫は、完成品に留まりません。建築途中の状態にある「仕掛け品」の管理も必要です。
このため、建築業の在庫管理では在庫の搬入先に注意が必要です。というのも建築業では、材料を現場に直送する場合があります。現場の完成時期は「現場の状態」・「施主の意見」・「追加工事発注の有無」によって異なるため、その現場の完成時期によっては直送した材料が「在庫」になります。
倉庫や事務所に搬入されない在庫に関して、計上漏れが起きがちです。特に税務調査時のトラブルを防ぐためにも、予め理解を深めておきましょう。
中小企業も大手企業も在庫管理は必須!
中小企業の経営者の中には、在庫管理を重要に思っていない人もいるでしょう。しかし、在庫管理は大きい企業にのみ、必要なシステムではありません。中小企業でも適正在庫が保てなければ企業の資金繰りを圧迫してしまいます。
在庫管理が必須である理由
改めて、在庫管理が必要である理由を詳しく解説しましょう。
在庫は需要と供給の差を埋めることができます。顧客のニーズに在庫を持って答えられます。一方で、全ての商品について余裕を持った在庫を持つことはできません。なぜなら企業にも仕入に使える資金に限りがあるからです。また、商品の仕入れにかかる資金を削減できれば、倉庫など、他のものに投資できます。
在庫を無駄に抱えては顧客のニーズも見えづらくなります。在庫の増減に機敏にいることで組織全体がうまく経営の舵をとれることもあります。結局のところ、在庫は多すぎても少なすぎてもいけないのです。
在庫管理効率化のメリット
在庫管理の効率化を行うことで、様々な効果を得られます。
- 余剰在庫と機会損失の削減
リアルタイムで、どこに何がいくつあるかを把握できれば、無駄な発注をなくし、余剰在庫は低減します。在庫の状況から欠品の予測ができ、最適なタイミングで追加発注ができるでしょう。人気商品の欠品を防ぐことができれば、機会損失も削減されます。
- キャッシュフローの改善
無駄な仕入れにかかる費用と、欠品による販売機会の喪失をどちらも削減できるため、キャッシュフローは安定します。在庫管理により捻出したキャッシュを別の事業投資に使うこともできます。
- 業務生産性の向上
不要に管理にかかる時間を、一元管理することで業務生産性を向上させます。在庫管理には書類の作成など、提携業務も多くあります。これらの書類の作成、数値入力の一部を自動化することで管理者の工数負担を削減します。
中小企業の在庫管理を最適化するには?
とはいえ、資金的なリソース、人的なリソースが不足しがちな中小企業にとっては財務管理の効率化は負担に感じるかもしれません。
在庫管理の最適化は通常、以下のプロセスで進んでいきます。
- 把握すべきデータを洗い出す
- 現状の在庫の数値をデータ化する
- 商品の発注点など、適正在庫の基準を設定する
- 在庫の入庫、保管、出庫において必要な作業を洗い出す
- 上記を管理できる在庫管理システムを導入する
- 現場に合わせてシステムをカスタマイズさせる
足元の状況が分かっていないままにシステム導入を行っても、効率化は進みません。現場はかえって混乱してしまうでしょう。
システムが実際にうまく現場で運用がなされるようになるまでには多大な労力を必要とします。その際に管理すべき、項目や管理手法が決まっていないようでは、現場は余計につらい思いをしてしまうでしょう。
一方、システムの導入と言われても、ITには疎い中小企業もいるでしょう。どの様なシステムがあれば、最適化をサポートしてくれるのでしょうか。システム化の方法は1つではなく、予算に合わせてリーズナブルな管理方法を選択することも可能です。
RPAツールを使う
RPAは(Robotic Process Automation)の略です。RPAは、パソコン上の手動で行っていた作業を、自動化することができます。発注書の情報を在庫管理システムにうつすなど、大量にある提携業務を代替することが可能です。RPAによって一部の在庫管理業務を効率化することもできます。一方、柔軟な業務には対応できません。
ERPの活用
ERPは(Enterprise Resources Planning) の略です。経営資源(ヒト・モノ・カネ)を適切に分配し、有効活用するシステムを指します。ERPはあらゆる企業経営に必要な管理をシステムで提供します。必要な情報を一括管理し、業務効率化を促します。
一括管理ができていないシステムでは、システム間で同じ情報を二重三重に打ち込むなどのプロセスが発生してしまいます。ERPでは、全ての管理が一つに集約されたことによって、経営の効率化が促進されます。在庫管理も統合されたERPで在庫管理を行えば、販売業務全体の効率化がなされることでしょう。
クラウドシステムがおすすめ!
非常に便利なERPですが、中小企業にとってはコストが高額で導入は現実的ではありません。そこで中小企業におすすめするシステムがクラウドシステムです。クラウドシステムは販売元が常に機能を最新のものにアップデートをかけています。
アップデートにかかる費用はありません。場所と時間を選ばず、どこでもアクセスすることが可能です。導入コストも安価なものが多く、導入しやすくなっています。
中小企業向け在庫管理システムとは
ERPは導入に高額な費用がかかってしまいます。中小企業でも導入しやすい在庫管理システムにはどの様なものがあるのでしょうか。
クラウド型ならFunBiz
おすすめの在庫管理システム、FunBizをご紹介します。FunBizは、必要最低限の機能をシンプルで使いやすいユーザーインターフェースにまとめたソフトウェアです。年齢層問わずに誰でも使えるように設計されているので、すぐに組織に定着します。
そしてFunBizはクラウド型のシステムです。インターネット環境があれば、いつでもどこでも利用することができます。値段も安価に利用開始することができ、システムのアップデート等にかかる費用もありません。取引先でスマートフォンから在庫の確認をすることも可能です。
FunBizの特徴&機能
具体的なFunBizの特徴を見ていきましょう。
- ダッシュボード形式
全ての取引が一覧で確認できる「ダッシュボード形式」を採用しています。情報はリアルタイムで更新されるため、全ての部署の人が常に最新情報を把握することが可能です。また「TODO機能」もついており、次に何を行えばよいか、リマインドをかけてくれます。
- 使いやすいシンプルな画面設計
FunBizは「誰でも運用できるような使いやすいシステム」を目標にしています。いくら良いシステムでも使い方が複雑では組織に定着しません。FunBizは必要な機能をわかりやすく組み込むことで、誰でも使えるように工夫しています。
- 低コスト導入
FunBizは、1ユーザーから契約できます。1ユーザーの費用は月額9800円からです。例え、1ユーザーでも全ての機能とサポートを受けることが可能です。また、クラウド型なので、ハードウェアを購入する必要がなく、契約後、すぐに使うことができます。
- 万全なサポート体制
FunBizは、サポート体制もしっかりしています。電話やメールでのサポートをいつでも受けられます。必要であれば、導入時に社員向け研修会を開いてくれます。
まとめ
在庫管理は適切に行うことでキャッシュフローを安定させ、柔軟な経営を可能にします。一元化されていない状況で在庫管理を行えば、人為的ミスは免れません。在庫管理システムを導入すれば、作業は標準化され、本来取り組むべき課題が明らかになってくることでしょう。シンプルで使いやすい在庫管理システムをお探しの方は、「FunBiz」の導入を検討してみてください。